第1回難病カフェ九州サミット in熊本参加報告

12月16日、7団体が集まって九州5県の難病カフェの開催報告、今後の課題等を話し合うサミットが開催されました。

日本初(?)カフェ主催者のサミットに参加

今回のサミットは、九州の各県(5県)で開催されている難病カフェについて、開催手法等の共有、主催者どうしのネットワークづくり、今後の課題や展望等を共有するために開催されました。RDingからは4名が参加。

 

参加団体は、Nagasakiの小さな難病カフェ難病カフェぱれっと(長崎)kumanan café(熊本)なんくるカフェ(北九州)ほっとカフェRDing(福岡市)難カフェin あゆむ(佐賀)、なんなんカフェ(宮崎・書面参加)の7団体。

 

他に、今回の参加は叶いませんでしたが、長崎の難病相談・支援センター主催のカフェを含め、九州では5県8か所でカフェが開催されています。

 

最初に開催地挨拶で熊本難病協の陶山副会長よりご挨拶をいただきました。

九州は、他の地域に比べて連携、一体感が強い。スポーツやその他分野でも、自分の県はさておき、隣の県の応援もするような土地柄で、非常にまとまりやすいと言えるとのお話には、参加者皆が頷いていました。 

 

その後、7団体それぞれからカフェの開催の手法や形式、課題について10分程度でプレゼンテーション。

皆さん、溢れる熱い思いがあり、しばしば時間オーバーもありましたが、7団体(宮崎の紹介含む)の開催の手法や形式、目的が共有されました。

難カフェ in あゆむ (難病サポートあゆむ)

最初にご報告をいただいたのは、佐賀の地域活動支援センターでカフェを開催していらっしゃる、難病サポートあゆむの難カフェ in あゆむ。

 

地域活動支援センターという形で開催をしていると、利用者が市町村単位で限られたり、障害者総合支援法の対象に限られたりと、活動に壁があります。

そこで、気軽に集まれるところとして、カフェの活動を始められたとのこと。

 

毎月様々な職種の方がファシリテーターを務め、支援者の参加もあります。

交通の便の悪さも相まって、参加者の数が課題ということでした。

それでも継続するのは、この場所に意義があると感じているから。患者会がそもそもない、あっても数が少ない佐賀だからこそ、こうした場は必要です。

 

Kumanan cafe (熊本難病・疾病団体協議会)

次に、熊本難病・疾病団体協議会主宰のKumanan cafeの報告。今回参加団体の中で、唯一の難病協での開催です。こちらのカフェは今年オープンした繁華街にある商業施設COCOSAの5階のスペースを利用して開催しています。

 

開催頻度は3か月に一度。スポーツや栄養、血液検査のデータの見方など毎回テーマを設けており、勉強にもなるカフェです。

 

今後は地域のイベントと協働してやっていくなど、地域と一緒に難病の啓発をしていこうと考えていらっしゃいます。

難病カフェぱれっと (長崎県パーキンソン病患者と家族と支援者の会

難病カフェぱれっと (長崎県パーキンソン病患者と家族と支援者の会)からの開催報告では、副会長の松尾さんのカフェ設立までのエピソードも語られました。

 

患者会リーダー研修がきっかけで、いろんな病気の人とも出会い、生活の課題(恋愛、仕事、結婚などのライフイベント)が共通していることに気づきます。

 

病院で毎月第一土曜日に開催しているカフェ。目標は、「全ての難病患者や家族が笑顔になれるところを目指す」。主宰はパーキンソン病の患者会ですが、他の神経難病をはじめ、疾患の枠を超えた方々に参加いただきたいとのことです。

Nasasakiの小さな難病カフェ (奥村さん

Nagasakiの小さな難病カフェ主宰の奥村さんは、今回参加団体の中で、唯一個人で開催していらっしゃるカフェです。

 

 主催者の奥村さんの素敵な雰囲気で、とても穏やかな時間が過ごせるカフェ。職場のスペースを利用し、一杯ずつドリップでコーヒーを提供しています(専属のスタッフが淹れているようです)。

 

参加費はひとり200円。開催までに、行政や事業所、患者会などにひとりで開催の相談をされたとのことで、半年後に開催。各種メディアにも取り上げられています。

なんくるカフェ (難病支援研究会・北九州

なんくるカフェは、難病支援研究会主宰で2016年から開催されています。私たちのほっとカフェスタートに大きく影響を与えてくれたカフェ。

なんくるカフェの行政との協働は、カフェ運営のモデルケースになっています。

 

こちらのカフェは、行政書士や栄養士、保健師など、多様な職種のスタッフを迎え、一度に複数の、濃厚な専門職支援が得られます。フリーアクセスと、ワンストップの支援がキーワード。

 

主宰メンバーも、学識経験者、患者会運営経験者、当事者、行政担当者などど多様なメンバーで構成されています。患者会のマンネリ打破とともに、新しい支援の形として定着しつつあります。

 

カフェの会場は、繁華な通りに面したレンタルスペース。出張なんくるカフェは、北九州市総合保健福祉センター内カフェスペースを利用し、認知症のカフェマスターも対応してくれます。

毎回新しい出会いと、遊び心を忘れずにいるカフェ。

ほっとcafé RDing (難病NET.RDing福岡

最後は私たちのカフェの紹介。2016年5月を皮切りに、半年に一度のペースで過去4回開催しています(開催報告については、過去の記事をご覧ください)。

 

土日に、気軽に支援にアクセスできる場。そして、疾患の枠を超えて、いろんな人とフラットにお話が出来る場として始めたカフェ。毎回30名を超える方にお越しいただき、大変好評です。難病相談・支援センターや、ハローワーク、社労士などの専門職スタッフにも入っていただき、相談も受けることができます。

 

何より自分たちが楽しむことを目標にしていますので、ハロウィンの時は仮装したり、飾りつけをしたりと楽しんでいます。

人的資源があればもっと頻回に開催できるのですが、今後の課題です。

このあと、10月3日に開催された「難病カフェシンポジウム」の参加報告も行いました。詳しい開催報告は、こちらの記事をご覧ください。

意見交換会・今後の展望

各カフェの報告の後は、質疑応答を兼ねた意見交換を行いました。

行政との協働をしているカフェに対しては、具体的にどのように協働をしているのかの質問も。

行政と一緒にカフェをすることは、費用や人的資源の面では助かりますが、運営の面では、活動に一定の制限が出てくることもあります。

そして、行政の担当者は数年ごとに異動するのが常。だからこそ、理解のある担当者と関わり、その間に形を作り上げることの重要性も提言されました。

 

また、「難病カフェ」という言葉が独り歩きすることへの懸念も。全国的に広まっている今だからこそ、一過性の流行にせず、よい形で定着していくことが望まれます。一方で、カフェはこうあるべきというものはないのも事実。

 

そんな「自由な」カフェをやりたいと思った人が、気軽に相談できる場所や、先駆者の実体験に基づくノウハウを共有すべきとの共通見解も得られました。

 

そこで、このサミットを継続的に開催し、得られた知見を分かりやすい形で公開することになりました。

公開の形は未定ですが、こちらのページでもみなさんにお知らせできるようにします。

 

来年の開催は12月、北九州の予定です。

 

師走の忙しい時期でしたが、多くの主催者の皆さんにお会いでき、非常に有意義な時間でした。これからも一緒にがんばりましょう~!

おまけ:九州一円のお菓子コーナー

福岡から博多の人、宮崎からはチーズ饅頭をいただきました。北九州からはチロリアン!チーズ饅頭が宮崎で愛されているということをしばらく前まで知りませんでした。クリームチーズと外側の生地がうまくマッチしている、洋風で美味しいお菓子。

福岡のめんべい、熊本は天草の天草サブレ(おいしいですよ!!)、宮崎からふわたま。東京からもお土産をいただきました。

 

天草サブレ、長崎にも似ているサブレがあるんですね…

北九州からもうひとつ、すくのかめ。ここには写っていませんが、佐賀から佐賀錦もいただきました。さが錦は抹茶味もあるらしい。食べたことない人は食べてみて!

長崎からは、ラスクとカステラキャラメル。出島の当時の地図を模した入れ物が素敵。

 

ここには紹介しきれていないお菓子もたくさんいただきました。九州旅行した気分です。次は大分と沖縄お待ちしてます(笑)

熊日新聞にも掲載していただきました

2017年12月18日付の熊本日日新聞朝刊にも、カフェサミットの様子が掲載されました。ありがとうございます。


他の地域の難病カフェ情報も掲載しています

RDing福岡のページでは、カフェ情報の一元化のため、九州以外のカフェの情報も掲載しています。

こちらからご覧ください。また、情報をお持ちの方は、コメントからお寄せください。

 

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コメント: 1
  • #1

    松尾美穂 (日曜日, 24 12月 2017 06:33)

    先日はお世話になりました。
    良い情報を聞くことが出来て、これからの活動に活かしていきたいと思います。
    ありがとうこざいました。