難病と就労に関する実態調査に際して

本日は、就労に関する実態調査実施に際して、メンバーの就労体験についてお話します。
病気のひとの話は関係ないかも~と思っていらっしゃる方にこそ、読んでいただきたいです。


私は15歳で発病し、大学での就職活動は持病を開示して行いました。
事業所にご配慮頂きたい点は主に「月1度の通院」と、「体力を使わない仕事」。
たったこれだけのことに、とても苦労しました。以下、4点が私が感じた問題点です。
難病に限った話ではありません。2人に1人が罹患するといわれるがん、そして糖尿病、その他様々な病気をお持ちの方にも通じるところがあります。

①画一化している就職活動(新卒)。
就職活動が解禁され、まず最初にぶち当たったのはこの病気の開示のタイミング。
就活サイト登録、エントリー、合同説明会、面接…といった皆一様のルートをたどる中、
一体どこで自分のことを話したらいいのか分かりませんでした。
皆いいことしか言わない面接で、一人手を挙げて「持病が…」なんて言ったら終わりですよね。
結果、私は逆に病人であるという希少性をアピールポイントに変えて就活を行いました。
もちろん様々な取り組みはあるものの、新卒の就職活動はあまりに硬直化しています。
病気を持った人に限らず、様々な理由で皆と同じように就活できない人が、
柔軟に事業所とのマッチングが行えるようなシステムづくりが急務です。

②開示の問題。
面接でうまく病気を開示できました。さて仕事を始めましょうとなったときに、
どの範囲まで自分の病気を知ってもらうかは大きな問題です。
面接を担当した方が直属の上司とは限りません。誰にどこまでお話するのか。
そもそも、就活で病気のことを話すべきなのか。

③支援の問題。
ハローワークでの難病の認知度の低さには何度も泣かされました。
私は幸いにも最終的に難病患者就職サポーターを利用できましたが、
これは本来新卒者対象ではありません。断られる自治体もあると聞きます。
支援はある程度線引きしなければ収集がつかなくなりますので、断る事自体は問題ではありません。
断られることが問題なのではなく、他につないでいく支援があるかが問題です。
また、私の大学はそういった病気や障害を持つ学生に対する体系的な支援が全くありませんでした。

④患者の問題。
私もですが、患者自身が、どのような配慮があれば働けるのか分かっていない例があります。
このような場合に、ハローワークなどの第三者の介入が有効です。
特に一度も社会に出たことのない新卒難病患者の場合、自分が何ができて何ができないのか予想するのは難しいことです。
漠然とした配慮をただ求めるのは簡単ですが、主治医や家族、支援者の力を借りながら、自分のことを分析する必要性は大いにあります。

長くなりましたが、他にもたくさん皆様が感じていらっしゃる問題点は数多くあると思います。
ぜひその声を、こちらの調査サイト(http://rdingfukuoka.jimdo.com/%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E7%A5%A8/
からお答えいただきたいと思います。
一緒に難病患者が当たり前に働けて、自己実現の機会が得られるような社会を創っていきましょう。